新坊太郎伝説

【新坊太郎伝説】

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西暦2000年1月サマーカーニバル実行委員長は、実行委員に向かってこう言った。

「サマカニもどうやらマンネリ化してきたようだ。みんなでアイディアを持ち寄って、新しい祭りを始めたい。

次回実行委員会の2月15日まで考えてきてくれ!」と。

優一は、サマカニが始まった当時から実行委員として活躍していた。zikkou.jpg

優一自身もこの数年当初の熱気が

どことなく薄くなっているのは気付いていた。

それを、実行委員長の口から聞かされると

「やっぱりみんなそう思っていたのか。」と実感した。

 

 

仕事の忙しさにかまけ、なかなか考えている

時間がなくなり実行委員会の日も迫ってきた金曜日の晩、

優一は、今まで経験したことのない熱にうなされていた。

「やばい、このままでは実行委員会までに、考えがまとまらない。」

土曜日の朝も布団から起き上がることはできないでいた。

「今日は休みで良かった。」

熱にうなされながらあっという間に、一日が過ぎていく。

いや昼と夜の境がつかない状態になっていた。

「外はどうやら雪が降っているようだ。全然明るくならない。」

そんなことを思いながら優一は、また眠ってしまった。

 

どのくらいの時間が経ったのか見当もつかなかったが、

自分の枕もとにだれかがいるような気がした。障子戸の向こうに誰かいる。そんな気がした。

でも、起き上がって確かめる力もない。するとむこうから喋りだした。

「優ちゃん、おれだよ。今日は、優ちゃんにお願いがあってきたんだ。」botaro2.jpg

 

その話とは、とんでもない話であった。

「夢だったんだ。」

優一は、その時そう思った。

 

でも、あくる朝熱が下がった優一は、

布団から起きて障子戸を開けてびっくり

「おい、まさか本物か?」

廊下の床が濡れている。窓も数センチ開いている。

吹雪で開いてしまったのか、本当のところはわからない。

でも、昨日の話だけは、はっきり覚えている。

 

 

障子戸の向こうにいたのは子どものようであった。その子の話は、

まさに話には聞いていた坊ヶ池の坊太郎そのものだ。

坊ヶ池でよう釣をしていて池に落ちたこと。龍に助けられたこと。

青柳の家に帰ったが、再び池に戻ったこと。そしてサマーカーニバルに行ってみたいということ。

清里のしょ(人たち)といっしょに遊んでみたいということ。

どうやら坊ヶ池は、坊太郎にとってあっちの世とこっちの世を結ぶタイムトンネルのようなものらしい。

坊太郎が、この世で遊ぶには坊ヶ池の水が必要であり、それも30m下の湧き水でなければならず、

イカダに乗って汲んでほしいとのこと。その湧き水をみんなの力で祭り会場まで運んでほしいと。

坊太郎のお願いは、いっぱいあったが、最後にこう言ったのだ。

「おれを、祭りまで連れてってくれたお礼にその余った水をみんなあげるよ。

 その水は、どんな困難にも負けない幸せの水だ。

その子は、そう言って去って行ったのだ。

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